これから投資を始めようとする人によく見られるのが、「~~会社の優待目的で株式投資を始めた!」というものです。
もちろん、企業を応援する、社会勉強のために投資をすることは否定しませんが、自身の資産を増やす目的でいきなり株式投資に手を出すのは、考え方を改めた方が良いかもしれません。
ここでは、投資をする前にやるべきことをご紹介します。
どのようにお金を増やすか
「自由に使えるお金を増やしたい!」という考えは誰にでもあるものでしょう。副業をしたり、投資したりすることで収入を増やすことに目が行きがちですが、果たしてそれは効率的な手段でしょうか。
下の図を見てください。
毎月の収入から支出を引いて、残った黄色の部分が自由に使えるお金です。そしてこの黄色の部分を最大化させたいとき、どのような方法があるでしょうか。
①収入を増やす
多くの人がまず考えることが、副収入を得ることです。副業、ネットビジネス、投資などで本業とは別に収入を増やします。または、本業に力を入れて収入をUPさせたり、転職により年収をUPさせることがこれに該当します。
図でいうと、青枠部分(収入)を増やすことにより、黄色部分(余剰資金)を増やします。
②支出を減らす
気付いてはいるものの、実行する意欲が湧きづらいのが、支出を減らすことです。節約に努めることで結果的に自由に使えるお金を増やします。
図でいうと、橙枠部分(支出)を減らすことにより、黄色部分(余剰資金)を増やします。
どちらが安定かつ継続的に余剰資金を最大化できるか
収入を増やすことは、誰もが夢見ることでやる気も沸きます。一方、節約は地道に頑張るイメージがあり、すぐ諦めてしまう人もいます。
しかし、節約する「領域」を間違わなければ、「②支出を減らす」の方が圧倒的に効率的かつ安定的に継続して余剰資金を最大化させることができます。
詳しく解説していきます。
節約すべき「領域」とは?
日々の生活で節約に努めてください。と言われた場合何をするでしょうか?
次の項目は最もよく見かける光景ではないでしょうか。
- 少しでも安いスーパーを巡る
- 1円でも安いガソリンスタンドを探す
- 電気をこまめに消す
- 外食の際、我慢してトッピングはしない
これらは、気持ち的には頑張っているように感じますが、行動の割に成果が伴いません。
- 10円安い食材を10品、4週間分買っていくら節約できますか?
⇒10円 × 10 × 4 = 400円
- 1円安いガソリンを入れて、毎月いくら節約できますか?
⇒1 × 30リットル × 4週 = 120円
- 電気をこまめに消して毎月いくら節約できますか?
⇒消費電力30W × 5時間(1日) × 30日 × 0.025(25円/1kW) = 112.5円
- 1品トッピングしないでいくら節約できますか?
⇒100円 × 2回 × 4週 = 800円
以上4項目を頑張ったとしても、月に合計1400円程度です。
やらないよりやった方がマシ、かもしれませんが、常に張り詰めた気分になり心の余裕がなくなります。結果的に、今日ぐらいは自分を許してあげよう!と、豪華な外食に出かけ、節約した分より多くの出費となることもあります。
では何を節約すれば良いのでしょうか。どの「領域」であれば、節約額を増やすことができ、心にも余裕が生まれるのか。
それは、支出の大半を占めている「固定費」です。
- 不要な保険の解約 ⇒ 3000~5000円節約可能
- 携帯電話料金を格安SIMに変更 ⇒ 5000円節約可能
- 電力会社の変更 ⇒ 1000円節約可能
- 家賃を下げる(引越す) ⇒ 5000円~1万円節約可能
- 行きたくない飲み会を月に1回減らす ⇒ 3000円節約可能
- 2次会に行かない(月に1回) ⇒ 3000円節約可能
上記に挙げただけでも、月に2万7千円の節約(余剰資金の拡大)ができます。
上の4項目に関しては、一度変更してしまえば、その後は節約しているという意識も生まれません。継続の意識をせずとも毎月勝手に余剰資金が増えることになります。
下の2項目は、断る時点では多少の勇気が必要かもしれませんが、1回の節約で効率的な節約ができ、かつ自由な時間も生まれます。
節約する「領域」を工夫することで、節約を意識することなく、自動的に余剰資金を増やすことができます。
株式投資で考えると?
先ほどの節約例では、月に2万7千円の余剰資金を生み出すことができました。
株式投資でこの金額を生み出すためには、いくら投資する必要があるのかを考えてみましょう。
年間の余剰資金は、
2万7千円(月) × 12か月 = 32万4千円(年間)
一般的に高配当株は利回り4%以上と言われています。利回り4%で年間32万4千円の配当を得るための投資額は、
32万4千円 ÷ 4% = 810万円
更に、配当金に対して約20%税金が課せられることを考慮すると、
810万円 ÷ 80% = 1,012万5千円
株式の配当で毎月2万7千円を得るためには、約1,000万円を投資する必要があるということです。
余剰資金を生み出すためには、まずは「節約」の意味をご理解いただけたかと思います。
次に本業、最後に投資
ただし節約にも限度があり、収入以上に節約をすることはできません。ある程度節約ができたら、「収入を増やす」ステップに移行する必要があります。
しかしここでも投資や副業ではなく、まずは本業に目を向けるようにしてください。
昇進により年収を数10万円上げることも可能であれば、転職により年収が100万円以上UPするケースもあります。年間100万円を株式の配当から得ようとしたら・・・莫大な投資額が必要になることは理解できると思います。
もちろん副業で会社員の収入以上を稼ぐ人もいますが、これは能力に依存するやり方です。
今回ご紹介した、「節約」⇒「本業」の流れでのお金の増やし方は、再現性が高く、誰にでも実践できるやり方です。
興味本位で株や副業を始める人は多いと思いますが、資産拡大の観点で考えると、「節約」が圧倒的に効率的です。さらに節約の「領域」を間違わなければ、毎月自動的に余剰資金が増えることになります。是非、参考になる部分は取り入れてみてください。
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